自然の多い場所に行かなくても、身近な生活の中でも、自然と触れ合う機会は意外と多いものです。大都市でも公園や川・池などもあると思います。地方の都市では、山や森林が近くにある場所も多いと思います。
自然の観察の中で何かを発見し、調べた結果、解決し「わかった」という経験を積んでいけば、こういった作業自体が非常に楽しみになってきます。さらに興味を持っていくと思います。
そのために身近な生物や自然を観察するための観察方法について整理してみました。こんなことは、あたりまえのこととしていつも行動していると人もいると思いますが、基本的なことをまとめてみました。
はじめに
昨年のことですが、私が毎日通る近所(自分の家から100m程度)の道路の脇に、雑草として黄色い花(上の写真)がたくさん咲いていました。普段、気にもしていなかったのですが、量が多く、きれいな花なので、はじめて気になりました。菊の花に似ていますが、今まで自分が知っている菊ではなく、いわゆる見たことがない花(意識したことがない花)でした。みなさんは何という花かわかりますか。ネットでいろいろ検索してやっと名前がわかりました。オオキンケイギク(大金鶏菊)といいます。この黄色い花を覚えたら、さらに、仕事場へ行く道路の脇には、いろんな場所でこの花が咲いていることも発見しました。1つの情報が入ることにより、他の場面でも気づくんですね。人間の脳は、おもしろいですね。もう一つ、わかったこととして、この花は、特定外来種(植物は16種)に指定された植物でした。侵略生物として他の植物に非常に影響がある植物として栽培が禁止されているということです。きれいな花なのでつい植えてみたくなりますが、法律違反です。
というように、一つの気づき(発見)からいろいろなことがわかってきました。
発見する楽しみ
外に出たら、生き物などの「自然」の中からいろいろなものを発見してみましょう。こんな、生き物がいた。見たことのない生き物がいたなど。普段、見過ごしているものの中から何かを発見してみましょう。
耳をすましてみよう
耳を澄ましてみましょう。外では、車の音や人の声が聞こえるかもしてませんが、意外と鳥の声が聞こえてきます。朝などは、特によく聞こえると思います。ウグイスなどは、特徴があるのですぐわかりますが、いろいろな鳥の鳴き声が聞こえてきます。ウグイスの鳴き声がその年の初めて聞こえた日を毎年、記録し、今年は早いとか遅いとか理由も考えるのもおもしろいです。
下を見てみよう
普段、目に入らない、アリなどの昆虫が動いていることもあります。じっくり、空き地や木の下の落ち葉の上などを観察してみましょう。植物もタンポポ、コケなどいろいろな植物が生活しています。どんな環境にどのような植物が生活しているかを考えるのも楽しいと思います。
土をほってみよう
タンポポの根を掘って取り出してみよう。タンポポ茶をつくってみよう。タンポポの根は漢方薬にもなります。また、土を掘ってミミズを探してみましょう。わが家のまわりがイノシシがよく出没し、ミミズを探すために穴を掘っています。
落ち葉や石を裏返してみよう
落ち葉や石の裏には、小動物がたくさんいます。でも、名前のわかりにくい人気でない生物が多いですね。川や海辺へ行ったときは石を裏返すといろいろな生き物がいます。
見上げてみよう
大木の木の葉、空の鳥、赤とんぼなどさがしてみましょう。また、空の雲の観察や月、太陽の観察。夜には星座や流れ星の観察など楽しみが多いです。
調べる楽しみ
発見した疑問点などは、図鑑や本で調べる。人に聞く。ネットで検索などで調べてみましょう。調べるためには、もっと、情報がないと調べてもわからないことが多いと思います。情報を集めるのも大事ですね。物事の不思議がわかった、解決した時の楽しみの積み重ねは、人生を楽しくしていくと思います。特に、自分で生物をスケッチしたり、長い期間に渡っての観測など苦労して、解決した時は、充実感があります。
拡大してみよう
人間の目では見えにくいものは、道具を使って拡大し、わからなかったものをはっきりさせましょう。虫眼鏡、ルーペ、顕微鏡、双眼鏡、天体望遠鏡、カメラなどを可能な限り利用しましょう。タンポポンの花やミジンコを拡大してスケッチしてみましょう。
においをかいでみよう
花のにおいや葉に独特のにおいのする植物があります。
写真を撮ったり録画・録音してみよう
見ただけで記憶するのは、むずかしい場面がよくあります。写真や動画に撮っていれば、後から確認することができます。また、鳴き声を録音する方法もあります。
比較して考える楽しみ
いろいろと調べてわかったことを、比較して考えることによってもっと深いことがわかることができます。さらにおもしろくなります。
例として
・カラスを知らない人はいないが、おもにハシボソカラスとハシブトガラスの2種類いる。1種類ではない(実際は全部で日本は6種類)くちばしの大きさが違う。見ただけでは、判断しにくい。写真を撮って判断しよう。
・いろいろな鳥のくちばしの違い(食べ物とくちばしの形の違い)
・鳥の卵の違い(色、形、大きさなど)
・葉の葉脈の違い、根の形にの違い、単子葉類と双子葉類の違い
・葉の形、葉の付き方の違い
・道に落ちていたいろいろな岩石の粒(鉱石)を調べて比較してみる
・さまざまな水生昆虫の生活と水のよごれの関係
などなど たくさんあります。自分で探してみましょう。
まとめ
好奇心をもって身のまわり自然を五感を研ぎ澄まして観察してみましょう。観察をしているといろいろな疑問や不思議が浮かんできます。そのことを調べてみましょう。調べるとまた、新たな疑問も生まれてくるかもしれません。そして、比較し、推定し、考えて疑問を解決していきましょう。「わかった」という経験を積んでいけば、こうした行動がさらに楽しみになってきます。自然とのかかわりを通した楽しい生活をつくっていきましょう。