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【特定外来生物】最近よく見かけようになった黄色い花 オオキンケイギク【なるほど解決】

オオキンケイギクの花 自然観察

 5月~7月にかけて、道路の脇に、雑草の中にとして黄色い花がよく咲いています。黄色い花なのでキクの花と勘違いされますが、花の形はコスモスにも似ています。この植物は、オオキンケイギク(大金鶏菊)といいます。

 大変きれいな花ですが、実は、栽培してはいけない植物です。特定外来種に指定されています。

生徒
生徒

最近 きれいな黄色い花をよく見かけるようになったけど、何の花ですか。?

やまがえる先生
やまがえる先生

キク科のオオキンケイギクと言います。最近増えてきた外来種の植物です。

群生するオオキンケイギク
オオキンケイギク(特定外来生物に指定)
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外来種オオキンケイギクの日本での歴史

 オオキンケイギクは、北アメリカ原産ですが、たいへんきれいな花なので、明治時代の1880年代から観賞用に輸入されるようになりました。

 繁殖力が強く荒地でもどんどん育っていくので、人の手によって河川敷や道路の法面の緑化植物として植えられてきました。しかし、増えすぎてしまい(全国の都道府県すべてで観測されている)、各地で日本古来の植物に悪影響(減少や消滅)を与えてきました。2006年に環境省は、特定外来生物に指定し、栽培や輸出入などが禁止されました。一部で駆除活動が行われていますが、認知度も低く、園芸種(八重咲の変種も生まれ、鉢植えや花壇に植えられる)としても栽培している家庭も街中でもたくさん見かけます。

 また、オオキンケイギクは、自然度の高い森林の中でも増えることができるといわれていますので、今後も生息域を広げていく可能性があり、早急な駆除が必要です。

特定外来生物とは

 特定外来生物とは、外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼしたり、そのおそれがある生物です。環境省が指定します。植物は、16種類指定されオオキンケイギクはその中の1つとなります。


 特定外来生物で規制されることとして、特別に許可を受けているものは除き、①飼育・栽培、②運搬、③保管、④輸入、⑤野外への放出、植栽、種をまくこと、⓺譲渡などです。

 違反したら罰則となります。細かく行為によって分けられ、例えば、上の⑤の植栽などでは罰則として個人には、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金になります。環境省ホームページより

対策

低い認知度

 近所の運動公園のテニスコート周辺では、今年は、特に目立ってこの黄色い花(オオキンケイギク)が斜面いっぱいに咲いています。グループで運動している人ら(10人程度)がこの黄色い花を話題にしていましたが、名前をだれも知りませんでした。他で聞いても、この花を知っている人はほとんどいませんでした。たいへん認知度は低いのが実感です。同じ黄色い花の外来種で、かって喘息の原因と嫌われたセイタカアワダチソウは、大変有名で知っている人はたくさんいます。病気の原因になるということでたびたび話題にされ、認知度は高くなりました。オオキンケイギクは、病気の原因にはならず、地域で話題になるとしても、「きれいな花じゃね」「何の花かね?」程度で今は終わっています。

駆除すれば効果あり

 オオキンケイギクなどの外来植物を除去した地域では、日本の在来種が回復した例も報告されています。環境省:特定外来種対策

 除去は、根から掘って処分をしないといけないので手間がかかります。とりあえず、これ以上増やさない方法としては、花が咲き、実(種子)ができる前に刈り取りをすることです。

 地域をあげて取り組めばより効果があります。たとえば、市町村の公報紙で開花時期に刈り取りの情報を載せたり、町内会の行事として、一斉に刈り取りをするなどが考えられます。この花が特定外来生物だという認知度が高まることにもつながります。

しかし、

外来種を駆除するのは、人間の勝手な生命観だと考える人もいます。


文庫 外来種は本当に悪者か?: 新しい野生 THE NEW WILD (草思社文庫)

いろいろな考え方がありますね。

まとめ

 道路わきに、最近よく群生し見かけるようになった、菊の花のような黄色い花はオオキンケイギクと言う外来種である。日本古来の植物に影響がかなり悪影響があるため、国の特定外来生物に指定され、栽培・植栽等が禁止されている。この花を知らない人が多く、駆除は、あまり進んでない。

自然観察
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