小学生・中学生・高校生の自由研究のテーマが決まったけど、どのように実験を進めていけばよいかわからない人にアドバイスをします。
中学校の3年生で学習する教科書の実験で具体的に考えてみます。
エネルギーの実験(仕事と力学的エネルギーの関係)です。物体(小球)が斜面をころがり衝突させ、床の上の木片がどの程度動いたかを調べる実験です。ころがる物体が木片に衝突すると木片は運動エネルギーを得て動き出します。しかし、木片は、床との摩擦力がはたらいているのでやがて静止します。木片が動く距離は、何に影響されるかを調べる実験です。条件を考え、①小球の高さ ②斜面の角度 ③小球の質量 の3つを選びました。この時、大事なのは、①の実験の時は、②③は、変化させてはいけません。条件を統一しないといけません。②、③の実験も同様です。実験前には、予想ももちろん大事です。見通しを持った実験にしていきましょう。
実験結果は、次のようになります
小球の高さと木片の動いた距離の関係:比例関係
小球の質量と木片の動いた距離の関係:比例関係
小球の角度と木片の動いた距離の関係:関係ない
実験の進め方 |
1 調べたいことの確認 |
2 何を変えるか(条件を考える)①高さを変える ②質量を変える ③斜面の傾き |
3 条件の統一するもの何か①の時は質量と斜面の傾きは同じにする。 ②~③も同様に他の条件は同じにする。 |
4 装置の工夫、レールや小球、木片、床はどんなものがよいか。実験装置を組み立て、改良を重ね予備実験をたくさんする中で実験装置は完成していきます。 |
5 測定・観測(回数を増やす)測定は、たくさんの回数を行い、平均を求めるなど誤差の少ないデータを出していきましょう。平均を求めてみる。 |
6 結果を表やグラフで表す |
7 結果から考えられることをすべて挙げてみる(推論) |
8 推論したことを図やモデルなどで表現する |
9 一般化(整理して結論を導き出す) あらたな疑問が生まれる⇒新たな実験を考える |
はっきりした結論をいつも出せるとはかぎりません。新たな疑問が生まれることもよくあります。その疑問を解決するために次の実験にもチャレンジしていきましょう。
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