以前の私のブログで、庭一面に咲く、自生したツツジであるコバノミツバツツジの紹介をした。その花も終わり、約1ヶ月がたったが、その場所にまた同じようなツツジの花(前回は薄紫色でしたが今回はピンク色に近い)が咲いた。もう一度、春を楽しませてくれている。今回はそのツツジについて調べてみましたので、植物名がわかるまでの過程を紹介します。自然観察の方法の参考にしてください。
もう一度コバノミツバツツジが咲いた?
5月中旬にピンク色に近い薄紫色の花がひっそりと、咲きました。この時期になると庭にはいろいろな木が生えて新緑も増えて、緑がいっぱいになっています。そのなかで、緑の葉に隠れるようにひっそりと咲いています。数えたら庭の7か所に咲いていました。(下の写真 小さい木が多く、他の6か所の花は他の木に隠れて写真では見えない)1ヶ月前に私の家の庭はコバノミツバツツジの薄紫色の花で満開でした。
今回も、もう一度コバノミツバツツジが咲いたのでしょうか。それとも別の種類でしょうか。
ツツジの種類を調べる
まず、このツツジが園芸種の可能性があるので、家のまわりの山林も調べてみました。
家のまわりも調べてみると山林の縁にも同じ花は、たくさん咲いていました。4月のコバノミツバツツジの時より目立ちません。まわりの木の緑が多くなったことと、今回のツツジの方が背たけが小さいものが多い気がします。花の色は、薄紫色もありますが、ピンク色もあります。一株ごとに色が微妙に違っています。花の大きさは前回のコバノミツバツツジと同じぐらいです。比較的小さな花です。
続いて、葉や花の特徴の違いから、名前を調べていきます。
まず、ミツバツツジの仲間との比較から調べてみました。私の地域(広島県)から考えて、ダイセンミツバツツジ、サイゴクミツバツツジ、コバノミツバツツジの3種を比較して調べてみました。ツツジは変種も多く地域によっても違いがあるので判別するのが難しいです。特徴を表にしてみると次のようになります。
花の色 | 葉柄(葉と茎の接続部分) | おしべ | |
コバノミツバツツジ | 薄紫色 | ねた褐毛が多い | 10本 |
サイゴクミツバツツジ | 薄紫色 | 無毛 | 10本 |
ダイセンミツバツツジ | 紅紫色 | 毛が密生 | 10本 |
見つけたツツジ★ | 薄紫色やピンク色 | 毛が密生 | 5本 |
ツツジの種類の違いを見分けるポイントの一つとして葉柄(葉と茎の接続部分)の違いがあります。もう一つはおしべの数の違いです。見つけたツツジだけ5本でした。他の3種はすべて10本ですので、明らかに違っています。つまり、4月に咲いたコバノミツバツツジでもありませんでした。めしべの数は、はっきりしているので識別するのは簡単にできました。
次の候補としてに考えたのが、ヤマツツジ、フジツツジです。
しかし、ヤマツツジは花の色が違います。ヤマツツジは紅色が中心なのであきらかに違います。花の大きさも違います。ヤマツツジの方が大きいです。フジツツジも、おしべは、5本ですが花の色が藤色なので違う気がします。まだ、わかりません。ここでつまずいてしまいました。
ついに見つけたツツジの名前 ヒメヤマツツジ
わからないまま時間が経ちました。ある日、図鑑やネットで調べていると、ヒメヤマツツジという種類を見つけました。比較的新しく名前の付けられたツツジでした。さらに、分布する地域がなんと広島県と山口県だけに限られる種類であるということです。①夏葉と春葉がある。②花の色と大きさ ③花の形は横を向いたつりがね型 などの特徴を確認して、最終的に、私は、今回、見つけたツツジは、ヒメヤマツツジだと判断しました。
ヒメヤマツツジの特徴
ヒメツツジの特徴をまとめると
・広島県と山口県にだけ分布している。希少種だが、広島県では普通に観察できる。
・かっては、広島県ではフジツツジと混同されていた。
・花の大きさは、ヤマツツジより小さく、2~3cm。
・花の色は、ピンク色や薄紫色、やや赤みがかかった花もある。
・ヤマツツジの変種であり、ヤマツツジとの中間型もある。
・宮島(厳島神社のある島)の山に自生するツツジは主にこの花である。
まとめ
自然観察により、自分の庭に咲き、地域の山に咲いているツツジ(ヒメヤマツツジ)が広島県と山口県の限定の貴重なツツジであることがわかりました。
私の住んでいる場所では、山に自生し、よく目立つ紫色のツツジの花は、花を春に2回楽しめる。4月中旬のコバノミツバツツジと5月中旬のヒメヤマツツジである。
ツツジは、変種が多く、みなさんが住まれている地域にもいろいろなツツジが時期をずらしながら咲く(例えば、ミツバツツジとヤマツツジ)と思います。
ツツジの花の違いを観察してみてはいかがでしょうか。